レンズの絞りを使うと大きなボケを活かした撮影をすることができます。
ボケを使うと撮影したい被写体を目立たせたり、それ以外の物をボカしたりといった撮影ができ。
また、その逆に全てにピントが合ったシャープな撮影も可能です。
この様な特性から絞りの本来の役割は被写界深度(ピントが合う範囲)の調整であると言えます。
※絞りのもう1つの特性は光を取り込む量の調整です。
絞り値(F値)とは?
まず絞り値(F値)を説明する上で色々な用語が出てくるのでまとめてみたいと思います。
絞り値(F値)
レンズを通って撮像素子上に写る像の明るさのことです。
絞り値は「F1.4、F2、F2.8、F4、F5.6、F8、F11」のように表され、F値やFナンバーと呼ばれます。
※F値はレンズによって変わります。本記事の例では最小がF1.4、最大がF11としています。
絞り値が小さい時
F1.4など、F値が最も小さい時は開放絞りと呼ばれ被写界深度が浅く、一番ボケを活かした撮影ができる状態のことです。
F値が小さい時のポイント
・ボケを活かした撮影が可能
※例:ポートレート
・最小F値は「開放絞り」、「絞り開放」と呼ばれる
・被写界深度が浅い
※ピントが合う範囲が狭い状態(ピンボケしやすい)
・カメラのレンズの羽が開かれた状態となる
※光を大量に取り込める状態でありISO感度を低く設定ができ、シャッタースピードも速い設定ができる
絞り値が大きい時
F11など、F値が最も大きい時は最小絞りと呼ばれ被写界深度が深く、一番シャープな写真を撮影することができる状態のことです。
F値が大きい時のポイント
・シャープな撮影が可能
※例:風景写真
・最大F値は「最小絞り」と呼ばれる
※絞り値が最大値なのに何故か最小絞りと呼ばれます、レンズの穴を絞って最小になるから?
・被写界深度が深い
※ピントが合う範囲が広い状態(ピンボケしにくい)
※写真全体にピントが合っていて非常に深い被写界深度をパンフォーカス(過焦点)と呼ぶ
・カメラのレンズの羽が絞られた状態となる
※光を少量しか取り込めない状態であり露出によってはISO感度を高く設定する必要があり、シャッタースピードも遅く設定する必要が出てくる
※注意点
レンズにもよりますが絞り過ぎると解像度やコントラストの低下を招きます。
その理由は絞ることにより光の通る穴が小さくなり、光の動きに乱れが生じ回折現象が発生するからです。
一番シャープな写真を撮影する時は最小絞りでは無くパンフォーカスの状態の撮影がベストです。
絞り値の変わり方
絞り値を大きい方に1段階変えることを「絞り値を1段大きくする(1段絞る)」と呼ばれ、レンズの穴が1段絞られることで、撮像素子上に写る像の明るさが1/2になります。
絞り値を小さい方向に1段階変えることを「絞り値を1段小さくする(1段開く)」と呼ばれ、レンズの穴が1段開かれ、撮像素子上に写る像の明るさが2倍になります。
絞りを活かした撮影について
それぞれ絞り値を変えることでボケの写真、シャープな写真を撮影することができますが注意してほしいのがレンズの焦点距離にも絞りは関係しているところです。
絞りの調整だけでイメージしていた写真を撮影できるとは限りません。
焦点距離は超広角になるほどボケ感が少なく、少し絞るだけでパンフォーカスになります。
逆に超望遠になるほど絞り値の影響が少なく大きなボケ感を得られます。
※ポートレートなど大きなボケ感が欲しい時は望遠レンズが良いです。ちなみに私はまだ持ってません…(˘ω˘)ホシイ
ピント合わせについて
ピントを合わせる時はマニュアルフォーカス、オートフォーカス問わずに絞り開放でピントを合わせるという基本があります。
もしF8の状態でピントを合わせて、撮影するときにF2にした場合にピントがずれてしまうからです。
また、ズームレンズでズームと絞り値が連動しているような場合はピントを合わせた後にズームするとピントがずれるので気を付けて下さい。
※レンズにF3.5-F6.5みたいにF値の最小と最大が記載されているレンズがF値変動タイプです。
そしてピントを外しやすいと悩んでる方は絞り値を大きくすることでシャープでピントを外しにくく撮影がし易くなります。
最後にピント合わせについては私も外しやすいので悩んでますが…。
ボケの写真が撮影したいので絞り開放でいつも戦っています(`・ω・)
基本、撮影する度にカメラの液晶モニタで拡大して確認することでピントが合わない、いわゆるピンボケをできるだけ少なくする努力をしています。